富山県内で最近建てられた木造の住宅・施設を紹介いたします。どの建物も富山県の気候・風土や環境に配慮し、木の良さを十分に感じられる知恵や工夫がされた建築となっています。皆様の住宅づくりのご参考例としてご活用いただけますことを期待しております。
富山の木造住宅
とやま木造住宅コンクール最優秀賞 I邸
- 木の良さを活かすための工夫
骨太で頑強に組まれたスギの構造材を使用。通し柱の太さは5寸角。表わしの梁や差し鴨居などの伝統的な工法を駆使し、間口の広い空間を演出。見掛けや化粧に惑わされない、シンプルで大きく、ガッチリとした構造です。
柱・梁・床板・天井板・建具など、あらゆるところに杉材、特に県産材を約7割使用しています。また、内部壁の仕上げは漆喰とし、自然素材と融和した住宅になっています。
- 概要
木造2階建て
延床面積389.23m2
木材使用量概ね63m3
とやま木造住宅コンクール優秀賞 U邸
- 木の良さを活かすための工夫
地元で育んだ木を同じ気候風土の中で活用すること、無垢の木を生かし、自然の素材を大切にした健康的な住まいを目指しております。
婦負産材の杉厚板を2階フローリングと1階天井板に兼用、屋根板にも使用し、節もそのまま見せています。
1階リビングの表わしの梁は丸太のままで施工しました。
- 概要
木造2階建て
延床面積218.97m2
木材使用量概ね60m3
とやま木造住宅コンクール優秀賞 M邸
- 木の良さを活かすための工夫
富山県内の立山杉を全ての構造材、造作材、床材に使用しています。立山杉の中でも特に樹齢60~100年生の材を多く用いています。
特に屋根板(2重通気構造)や断熱材として、無垢の杉板30mmを使用しています。壁材も珪藻士、越前和紙などを用い、床は16mmの無垢のフローリング杉材です。
天井は構造材の表わしで、空間を無駄なく使い、自然の光と風を取り入れ、3世代家族がゆったりと暮らせる造りに仕上がりました。
- 概要
木造2階建て
延床面積198.30m2
木材使用量概ね75m3
富山の木造公共施設
有峰ハウス
- 特徴
有峰ハウスは有峰森林文化村の活動拠点施設として平成16年にオープンしました。
整備にあたっては、有峰の自然と調和する木造とし、県産材を利用した木の良さを体験できる施設です。
なお、標高1,100mに位置する有峰ハウスは、冬季間4mに達する雪に覆われ、この重さに耐えなければなりません。
このため、これまでの建物はコンクリートなどを使用してきましたが、有峰ハウスでは斜め柱を効果的に配置し、木造で建設することができました。
- 概要
木造2階建て
延床面積853m2
木材使用量概ね520m3
八尾化石資料館 海韻館
- 特徴
八尾化石資料館は多数の化石が発見されている富山市八尾町地区の化石を紹介する施設として平成16年にオープンしました。
この施設は地区内で生産された木材を使用します。また、籾殻を充填した断熱パネルを屋根、外壁に使用するなど、自然素材にこだわった施設になっています。
- 概要
木造2階建て
延床面積689m2
木材使用量概ね210m3