木材は高い?
木造住宅の建築費の中で、木材費の占める割合は10~20%にすぎません。断面の大きな柱や梁・桁、寸法精度の良い乾燥材をたくさん使っても、木造住宅の価格は大きく増加することはありません。
木造住宅に占める木材費は決して高くはありません。
木材は高いというイメージをお持ちではないでしょうか。材質によっても異なりますが、例えばスギ柱材は3m、10.5cm角の並材で、1本2,000円くらいです。家を建てるのに必要な柱材の本数は約100本として20万円程度です。乾燥した柱材を使った場合でも、1本2,300円として23万円とわずかに増加するだけです。木材は決して高い材料ではないのです。
木造住宅に占める木材費の割合
では、木造住宅に占める木材費の割合はどのくらいなのでしょうか。在来軸組工法の事例を紹介します。表から分かるように、木材費は建築費全体の約10~20%を占めるにすぎません。従って、吟味して、建物に良い木材(断面の大きな柱や梁・桁、乾燥材、防腐防蟻処理材等)や見栄えの良い木材(スギ、ヒノキ、ケヤキ、クサマキ等)を使ったとしても、建築費全体ではそれほど高くなりません。仮に、通常の2倍の値段がする木材を使ったとしても、建築費は10~20%アップになるだけですので安心してご検討ください。
新築住宅の事例1
No. | 建築費用区分 | 比率(%) | ||
1 | 建築工事費 | 73.9 | 基礎等 | 8.6 |
木工事 | 35.4 | |||
屋根・左官等 | 10.8 | |||
建具 | 10.6 | |||
内外装塗装 | 8.5 | |||
2 | 設備費 | 20.1 | 住宅設備 | 7.0 |
電気設備 | 4.3 | |||
給排水設備 | 8.8 | |||
3 | 諸経費 | 6.1 | ||
計 | 100.0 |
木工事35.4%の内訳
区分 | 使用量 | 費用の率(%) | |
木材 | 構造材 | 0.14m3/m2 | 5.6 |
下地材 | 0.02m3/m2 | 0.6 | |
造作材 | 0.04m3/m2 | 5.3 | |
小計 | 0.20m3/m2 | 11.5 | |
大工工賃 | 1.5人/m2 | 23.4 | |
釘・金物類 | 1.8kg/m2 | 0.5 | |
計 | 35.4 |
*木材の使用量は0.20m3/m2。見えがかり部材が多い住宅例である。
新築住宅の事例2-1
事例 | No. | 工事名称 | 比率(%) |
地方注文住宅系 延床44坪 在来工法 柱:杉KD 梁:ベイマツKD 土台:ツガ注入 | 1 | 仮設工事 | 2.1 |
2 | 基礎工事 | 8.3 | |
3 | 足場工事 | 1.3 | |
4 | 防蟻工事 | 0.0 | |
5 | 木材 | 12.2 | |
6 | 建材 | 12.2 | |
7 | 大工工事 | 14.2 | |
8 | 屋根工事 | 3.7 | |
9 | 外壁工事 | 1.5 | |
10 | 樋板金工事 | 0.4 | |
11 | 金属建具工事 | 6.7 | |
12 | 木製建具工事 | 0.5 | |
13 | 左官工事(外壁含む) | 6.2 | |
14 | タイル工事(13に含む) | 1.0 | |
15 | 塗装工事 | 1.7 | |
16 | 畳工事 | 0.4 | |
17 | 内装工事 | 3.8 | |
18 | 断熱工事 | 0.8 | |
19 | 雑工事 | 0.9 | |
20 | 住設機器 | 10.3 | |
21 | 内部電気工事 | 2.7 | |
22 | 内部設備工事 | 2.5 | |
23 | 諸経費 | 6.4 | |
計 | 総計 | 100.0 |
新築住宅の事例2-2
事例 | 総計の内訳 | 比率(%) | ||
関東地域 中級分譲系 延床30坪 集成材金物工法 柱・梁:ホワイトウッド 土台ヒバ集成 | 木材合計 | 17.8 | ||
建材合計 | 22.7 | 内装建材小計 | 11.8 | |
住設機器小計 | 10.9 | |||
金属建具工事 | 5.9 | |||
工事費合計 | 53.6 | |||
総計 | 100.0 | |||
m2単価 | 152(千円) |
新築住宅の事例2-3
事例 | 総計の内訳 | 比率(%) | ||
首都圏高級 分譲住宅系 延床37坪 在来工法 柱:ヒノキKD 梁:ベイマツKD 土台:ヒノキ | 木材合計 | 15.6 | ||
建材合計 | 21.0 | 内装建材小計 | 13.6 | |
住設機器小計 | 7.5 | |||
金属建具工事 | 6.6 | |||
工事費合計 | 56.8 | |||
総計 | 100.0 | |||
m2単価 | 161(千円) |